平均寿命が80歳を超える今、退職後の生活は長く、高齢者となって年金を受給していてもお金に困ることはあります。年金も昔に比べると減額され、僅かなものです。貯蓄が十分ある方なら老後生活は豊かなものになりますが、そうでは無い方の方が多いのではないでしょうか。
思わぬ出費ができた事態、生活費が足りなくなった事態にどう対応するべきか、年金受給者でもお金を借りることはできるのでしょうか?
現金が急に必要となった時、速やかに借入できるサービスにはどのようなものがあるのでしょうか。
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カードローンを利用する
カードローンの申込条件
カードローンの申し込み条件によると、「安定した収入」があれば誰でもお金を借り入れることができそうです。「返済能力があるか」ということを重要視し審査判断をする業者が多く、基本的には無職で収入の無い方が利用できるカードローンはありません。
年金は毎月入ってくる収入なので、年金を「安定した収入」とみなしてくれる業者もあり、一部の業者や銀行では年金受給者でも融資を受けることができます。ちなみに、以下の通り、貸金業法の法律上で年金は収入として認められています。
総量規制の基準となる「年収」には、定期的な収入として法令に定められている以下のものがあります。
(1)給与
(2)年金
(3)恩給
(4)定期的に受領する不動産の賃貸収入(事業として行う場合を除く。)
(5)年間の事業所得(過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る。)
上記以外の収入(例えば、宝くじや競馬等による一時的な収入)は、貸金業法上、年収には含まれません。
年齢制限
年金受給者の借入において一番の問題は年齢制限です。「利用者には長くローンを借りて欲しい」「死亡による返済のリスクを回避したい」等の理由で、大抵の業者では、借り入れの対象年齢を20歳以上65歳または69歳以下としています。
70歳を超えると新規契約は難しいと言えますが、80歳まで利用できるカードローンが存在します。
セゾンファンデックスの「かんたん安心カードローン」です。80歳までの人なら利用できるカードローンとなっています。
限度額: 30万円〜100万円
審査: 最短即日
申込年齢: 60歳〜80歳
1)急な出費に困っている人 2)少額を借りてすぐに返済できる目処がある人であればお勧めしますが、やはりカードローンは金利が高いところがネックです。
年金を担保にお金を借りる
年金担保融資とは?
基本的に年金を担保にした借入は法律で禁止されています。年金を担保に合法的にお金を借りられるのは、厚生労働省が管轄する独立行政法人の「福祉医療機構」だけです。
年金証書を預けることによって、年金受給権を担保にし融資を受けます。「福祉医療機構」以外に年金を担保に貸し付けを行っている業者を見つけたら、その業者は非合法です。絶対に近付かないようにしましょう。
利用条件
年金担保融資の利用を希望する人は、国民年金証書、厚生年金証書、厚生年金保険年金証書、船員保険年金証書、労働災害補償保険年金証書のいずれかが必要となります。
年金の支給が停止されている人や、生活保護を受けている人は利用の対象とはなりません。
融資限度額
年金支給額の80%を融資限度額と設定しており、10万円~200万円以内の借入が可能です(使用目的が「生活必需物品」の場合は10万円~80万円の範囲内)。
原則として追加の借入はできません。担保にできるのは国民年金、厚生年金、労災年金です。
・年金の年間受給額の0.8倍以内
・1回あたりの返済額の15倍以内
年間150万円を受給している方であれば、「150×0.8=120万円」が限度額となります。
なお、融資までに3週間ほどかかるので、急な出費時には適しません。
融資の使用用途
年金担保融資は使用目的が限られているのが特徴です。
以下項目に限定されています。
- 生活必需品の購入費
- 医療費
- 事業費
- 介護・福祉費
- 教育資金
- 冠婚葬祭
- 借金の返済
旅行やギャンブル等の娯楽費は認めらていません。融資を申し込む際には、資金の使い道や必要額が分かる書類を提出が求められます(融資額が10万円の場合は不要)。
返済方法
年金支給の機関から直接、福祉医療機構に支払われる事になっているので、個人での返済手続きは必要ありません。
偶数月に支払われる年金支給額から返済金額が自動的に差し引かれ、残りの金額が年金として振り込まれます。返済1回あたりの下限は1万円、上限は支給額の3分の1以内で、返済金額は申し込み者が指定できます。
メリットとデメリット
年金担保融資のメリットとしては、金利が2.1%と普通のカードローンと比較して低く、返済のペースも1回1万円〜と利用者に優しい設定になっています。また、自動的に(強制的に)返済が行われるので返済が遅延する心配がありません。しかし、返済が始まると必ず毎回の年金支給額が減り、出費が多い月には生活資金が足りなくなり生活が困窮する可能性があるでしょう。「年金担保融資」は「年金の前借り」であることを忘れないでください。
また、年金担保融資は連帯保証人が必要になります。保証人を頼めるような人がいない場合には、別途保証料を支払い保証会社に申し込まなければなりません。
まとめ
年金受給者だからといって、一切カードローンに申し込めなくなる訳ではありません。申し込む場合には、必ず信用できる業者で借入を行うことが大切です。
先ほども説明した通り、基本的に年金を担保にした借入は法律で禁止されています。「年金を担保に融資します」と宣伝している会社があったら、違法な業者ですので絶対に近付かないようにしましょう。高齢者の年金狙った闇金業者の可能性が高いです!
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